DR-60DMKIIを使ったFinalCutProXのワークフローについて

Posted on Wednesday, January 14th, 2015 at 4:23 PM

映像の撮影後、カット編集を行うまでには何かと準備が必要である。嫌いな工程の一つだがこの作業を怠ると、その後の作業に暗雲が立ち込めで、最終的には発狂するしかない恐ろしい事態に発展する場合がある。

その中でも面倒なのか音声の同期。編集前に外部音声レコーダーで収音した音声ファイルと、カメラで撮影した映像ファイルを全て同期している。また、この作業やりがなら、編集のイメージを作っている。
01-DR-60DMKII-60DMKII

なお、粗編が終わり本編集してからやった方が、同期しなくてはならないファイル数が圧倒的に少なくて済む。少しでもラクしようと思って試したことがあったが、それも何かと面倒。むしろダメ。なぜかというと、音声ファイルと映像を同期させると、新たに「※※-Synchronized Clip」がEvent内に生成される。同期前の前後をトリミングした映像クリップが既にタイムラインにある場合、同期後の「※※-Synchronized Clip」と差し替える必要がある。前後をトリミングされた状態で自動的に調整を行い差し替えてはくれないので、新たに「※※-Synchronized Clip」を自分で切り直して、同期前のファイルと同じ尺にしてから差し替える必要がある。これが数100カットあるとしたら、二度手間以外のナニモノでもない。なので、使わないかもしれない素材であっても必ずはじめに、全部同期をかける。大量に撮った場合、1日仕事である。

この間、DR-60DMKIIを買ったので、こちらとFinalCutProXを使った場合の自分なりのワークフローをメモしておこうと思う。もっと効率の良い方法があれば良いのだが。
※DR-60DMKIIは4Chモード(モノラルマイク2本+ステレオマイク1本)で使う前提。
※今回は、4CHモードで録音するが、DR-60DMKIIのチャンネル1にモノラルマイクを接続しただけの状態での話。

ちなみに、4Chモードで録音した際に作られるファイルは1録音(スタート/ストップ)につき2ファイルである。1-2ChがL-Rに振られているステレオファイルと、3-4Ch経由で録音されたステレオファイルだ。3-4Chはステレオミニジャックが搭載されている事を考慮すれば、ステレオファイルで良い。ただ、1-2Chは異なるモノラルマイクを2本使う事が多いと思うので、設定でモノラルファイルを2つ作成できる仕様にしてほしかった。購入前にサポートにも聞いたが、1-2Ch入力のファイルは、かならずステレオファイルが作成されるとのこと。迷ったがXLR入力で2本のマイクでステレオ録音するかもしれないので、納得の上で購入した次第。

DR-60DMKIIのチャンネル1に入力されている状態。モニタリング時に本体ミキサーで、パンニングする事も可能。
02-DR-60DMKII-level

撮影後に同期するため、DR-60DMKIIのカメラアウトから5D Mark IIのマイクインへ入力する。
03-5DMarkII-level

①5D Mark IIで録画開始、②DR-60DMKIIで録音開始、③DR-60DMKIIで録音停止、④5D Mark IIで録画停止。
撮り終わったらそれぞれのデータを、それぞれのカードからFinalCutProXへ読み込む。
04-cf_sd

②FinalCutProXには、3つのファイルを読み込む(今回は3つで1セットだが、実際には撮った分だけのファイルを読み込む事になる)。
05-Event

下記は、5D Mark IIで撮影された音声付きの動画ファイル(5D Mark IIとDR-60DMKIIの時刻が合っていないので、合わせないと面倒な事になる)。緑丸の箇所で、DR-60DMKIIが発信したスレートトーンが記録されている事が見て分かる。
つい、やっちまいがちだが、録音スタート後、録画するとスレートが記録されないので注意が必要だ。
06-slate-5D_Mark_II

次は、DR-60DMKIIのチャンネル1、2へ入力された音声ファイル。緑丸内の頭が平らになっている人工的な波形がスレートだ。録音開始時に鳴る設定にしたので、ド頭にこの波形が入っている。上記の5D Mark IIはあらかじめ撮影を開始していたので、スレートの記録時間が後になっているのが分かる。この状態だと分からないが、チャンネル1にしかマイクをつないでいないので、チャンネル2(すなわちR側)は無音になっている。
07-slate-DR-60DMKII

さらに次。DR-60DMKIIは4Chモードで録音しているので、2つ目のステレオファイルも生成される。ただ、チャンネル3、4にもマイクをつないでいないので無音状態だ。スレートのみ記録されている事が見て分かる。
08-slate-DR-60DMKII02

③ここからが同期の話。ファイル名「TASCAM_0001S34」は無音なので、今回は下記のように2つのファイルが同期されれば良い。
09-pre_sync

そして、FinalCutProXのclipメニューから同期をかけると、MVI_0345-Synchronized Clipが新たに作られる。これで同期は完了。
10-after_sync

MVI_0345-Synchronized ClipをFinalCutProXのタイムラインに放り込むと、以下のようになっている。このクリップを前後詰めたり切ったりすれば良いのだが、まだやる事がある。
12-timeline

MVI_0345-Synchronized Clipを右クリックして、Open in Timelineを選択すると以下の状態になる(イベンドブラウザからでもOK)。
上が5D Mark II(映像)、DR-60DMKII(音声)。スレートの位置で同期できている事が確認できる。ただし、このままでは、5D Mark II側の音声もタダ漏れ状態。MIXさせたい事はほとんどないので、ミュート必須だ。また、DR-60DMKIIはステレオファイルかつ、R側は無音なので、これも一手間かけなくてはならない。タイムライン上のMVI_0345-Synchronized Clipは一旦デリートしておく。
11-sync


④「タイムライン」ではなく、「イベントブラウザ」内にあるMVI_0345-Synchronized Clipを選択してインスペクター画面へ行き、Audioのタブを参照する(以下図)。イベントブラウザ側でやっておかないと、あとで痛い目にあうので注意(あたり前だが、タイムライン上でやってしまうと、タイムラインから削除して、改めてイベントブラウザから放り込んだ時に設定が解除さされてしまう)。
下記図でチェックが入っているStorylineが5D Mark IIで撮った映像ファイルの事。その下が、DR-60DMKIIの音声ファイルの事。ともにステレオと表示されているのが分かる。
13-inspector

そこで、Storylineのチェックを外せば5D Mark II側の音をミュートすることが可能である。またDR-60DMKII側は、Dual Modeに切り替える。この時点でLもRもモノラルファイルと同じように扱えるようになり、定位はセンターに来る。R側はいらないのでmono2のチェックを外せば良い。R側にDR-60DMKIIのチャンネル2に接続した別のマイク音声がある場合は、mono1側を外したり、音量をミックスさせて好きなように設定すれば良い。

14-inspector

長くてイラッとしそうな工程だが、慣れるとそれほど面倒ではない。一番の問題は、タイムスタンプがおかしい、ファイル名が変わった等で、どの絵とどの音を同期かければ良いか分からなくなった時。そうなると絶望的である。

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